2018年9月8日

小津が自然災害映画を監督していたら

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お豆腐屋さんに厚揚げを期待してしまう

関西の台風、そして北海道自身と自然災害続きの日本ですが、1日も早い復旧を祈念いたします。
今回の自然災害で私思ったんですけれど、小津安二郎が台風や地震で呆然としている人たちの作品を監督していたら、非常に興味深い作品ができたのではないでしょうか。

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小津は生前、「俺は豆腐屋だから豆腐しか作れないんだ」と宴席で上機嫌になると言っていたそうです。
つまりは、ホームドラマの創始者と語られていますから、ホームドラマ以外は撮るつもりもないってことでしょう。

けど見てみたいんですよ、避難所生活なら避難所生活で、笠智衆と東山千栄子を配して「おとうさん、炊き出しをいただきに行きましょうか」「うん、そうだななぁ、行ってみようか」みたいな会話をさせるのか、東京物語で長女を演じた杉村春子は抜け目がなさそうだから、美容室のお弟子さんとご主人と3人総出で食糧の買い出しに駆けずり回っているのをローポジ撮影で撮るのかなとか。

原節子だけはなんだか泰然自若としていて、崩壊している建物や暴風雨には似合わない気がするんですが、この方も戦時中は米の買い出しに満員電車に揺られて千葉までお米の買い出しに行っていたそうですから(歌えない、踊れない、弾けないの三無主義で、戦地の慰問でおいしいものを食べて来る機会に恵まれませんでした)、意外とタフなのかも知れません。
老夫婦を避難所へ訪ねて「お父様、お母様、たい焼きをお持ちいたしましたわ」とか現れたりして。

三宅邦子も髪を振り乱しての熱演、みたいのが似合わない女優さんですね。
温感が低いと言うか。
いつもの聡明そうな微笑みで子どもたちをしっかりと抱きかかえ、呆然としていそうです。

正しい日本人の行いの指標

なんだろう、今、こんな風に、いつ何時なにが起こってもおかしくない現状で、日本人の正しい佇まいの指標となるような、被災版・東京物語があってもいいかなって思ったんです。

小津はもちろん拒絶するでしょう、この人の作風は平時の時をあくまで念頭に置いています。
それは小津自身が戦地で過ごした体験があるから、余計に、人間が混乱したりパニックに陥るような演出を好まなかったんでしょう。
けど、やっぱり非常時の作品を1本くらい遺しておいて欲しかったです。
これこそ後世の日本人が見直すべき素晴らしい作品となったと思うんですが。

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