2018年8月21日

お行儀のいい子はものになります「細雪」

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娯楽作品としては良くできています

今回は小津安二郎から少し離れて、昭和25年に新東宝で制作された谷崎潤一郎原作の豪華絢爛な長編小説「細雪」について書いてみましょう。
監督はアメリカ帰りのジャッキー・阿部です。
豪水のシーンに特撮を初めて取り入れたりしているので、制作費は当時のお金で400万円かかったと言われています。

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テレビのない時代の娯楽としての作品の出来は悪くはないと思いますが、やはり細雪のように冗長な作品を映画にするのはむずかしいのではないでしょうか。
もう亡くなってしまいましたが、版画家の池田満寿夫がニューヨークに住んでいた時に、細雪を読んだと言うアメリカ人に「あの姉妹はなぜあんなに病気ばかりしているんだい?」って聞かれて困ったと言う話を聞いたことがあります。
病気ばかりしている美人姉妹の、ま、要は婚活物語なんですけれど、節々の描写が「卍」ほど偏執的ではないにせよ、かなり絵画的です。
原作を読めばもうお腹いっぱいになってしまうので、別に映像化する必要のない作品だと思うんです。
昭和58年に撮られた細雪は資金と時間の無駄遣いですね。

昭和25年版の細雪は末娘、妙子を演じる高峰秀子のヴァンプっぷりを軸に話が進んでいくんですが、当時でもうキャリア20年の大女優の高峰秀子が、「お行儀のいい人はものになりますね、たとえば香川京子さんなんか挨拶も素晴らしくちゃんとしていました」と語っていました。

香川京子がまだ真っ黒け

たしかに細雪には小さく香川京子の名前がクレジットされていたので、一体どこにいるんだろうと興味津々で登場を待ちましたが、いました、妙子と恋仲になる写真屋、板倉の妹役でした。
小さな役ですがやはり美人の片鱗はありました。
ただ、まだ少女っぽさが抜けていなくて、お顔が真っ黒で、水で洗う前のサツマイモみたい。

それはそれで素朴でかわいいんですけれど、それから4年ほどで若鮎のように清楚なお嬢さんに成長して小津安二郎の「東京物語」の末娘、京子役で美しい姿を見せています。
そこから彼女の長い美人女優としてのキャリアが始まるんです。

昭和25年版の細雪もキャスティングはちょっと首を傾げたいものがあります。
轟夕起子の次女、幸子役はちょっとあんまりかな。
幸子はやや肉付きのいい美人と描写されているけれど、デブとはどこにも書いてなかったし、三女の雪子役の山根壽子も声にドスが効き過ぎていてか弱さに足りない。
高峰秀子は自分で細雪は失敗だったと言っているし、となると女中顔と内心小バカにしていた花井蘭子の長女、鶴子だけかな、あたっていたのは。

ぜひ、ご覧になってご確認ください。

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