2018年7月25日

私の太陽、大日方傳「出来ごころ」

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目を見張る大日方傳の男臭さ

モノクロでサイレント映画で長屋ものっぽくて、「あぁ、なんでこの映画を見ようと思ったんだろう?」って若干後悔した時に出て来た次郎役の大日方傳。
「えっ、もう、めちゃくちゃイケメン!」離脱しかかっていた私の心は、そこで思いとどまりました。

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長屋ものですから当然風貌はワイルドなんです。
当時の二枚目、たとえば上原謙や岡田時彦のような削りたての鉛筆のような清々しい美貌の役者さんがなし得ない男臭さがあると言うか、もうこの次郎に私ひと目ぼれ。

次郎は大日方傳にとって出世作だと思うんですが、もっと若い時期に撮られた、「隣の八重ちゃん」の方が多くの方の目に触れているかも知れません。
そこでは大日方傳は屈託のない大学生を演じていましたが、私にはどうにも退屈で5分以上見ることができませんでした。

あくまで出来ごころの次郎が好きなんです。
話の展開自体もアメリカ映画の「チャンプ」から筋書きを拝借しているようで、ゴリゴリの小津調と言うわけでもなく、描写に動きがあり、娯楽作品都市充分楽しめます。

小津は戦前、アメリカ映画に大変傾倒していたので(脚本を書くときのペンエームが、ゼームス・槇という名前だったくらいです)戦後の構図で作る作品よりも、ランダムに光と影で作った映像を多く残しています。

笑いを取るシーンも充分用意されています

この作品も、北海道へ出稼ぎに行くと決めた次郎の相棒、喜八が船からザブンと飛び降りて泳いで帰ろうとするなど、笑いを取るシーンもたくさん用意されています。
まったくバカなことを・・・。
それにしても北海道ってそこまでの外地扱いだったんですね。
樺太とかじゃなくて、北海道でこのレベルですよ、北海道民のみなさんすみません。

きれいどころとしては喜八と次郎が同時に思いを寄せる伏見信子演じる春江がいますがそれほど大きな役ではありません。
それよりやっぱり女傑、飯田蝶子ですね。
長屋と言われて彼女がいないとリアリティに欠けると言うか。
どっしり構えて鷹揚な演技を見せています。
飯田蝶子の存在があるかこそ喜八も息子を託して北海道へ行く決心をするわけで、ここ大事なポイントです。

ところで大日方傳は戦後映画界でほとんど活躍していないんですけれど、何をしていたと思いますか?
一家揃ってブラジルに移住してコーヒーの栽培をして財を成したんだそうです。
どこまでもワイルドな人ですね。

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