2018年7月8日

世界が見つめる小津安二郎

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各国の映画人が好む映画ランキング

ツイッターで世界の映画人が、フェイバリットな映画を10選上げているアカウントをフォローしているんですが、ここでおもしろい発見をしたんです。

昭和20年代後半から30年代後半までの日本映画全盛期の、圧倒的な「スター監督」と言えば、小津安二郎、成瀬巳喜男、黒澤明、溝口健二が四天王として君臨していたと思うんですが、今現在、海外の映画人からフェイバリットな作品として名前が挙がるのは、小津の「東京物語」や成瀬の「浮雲」ばかりです。

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世界のクロサワ、ミゾケンとして人気を誇った両監督は出る幕がなくてちょっとお気の毒さまです。
奇しくも、私も両監督の作品はほとんど見ていないんです。

小津も成瀬もスター女優さんをふんだんにキャスティングして、彼女たちをストーリーテラーとして使っています。
この辺りが小津や成瀬の作品の海外受けの良さがあるような気がします。

紙と木でできた住宅に住む日本人のミステリックさ

さらに、小津の作品のおもしろさは、以前テレビ番組で主張されていたものをそのまま記載しますが、「麦秋」を例に挙げていたと思うんですが、住居ひとつ取っても無駄な線がない、開いたふすまの垂直な線が奥まで連なっている。
と、これは「日本人の住宅は紙と木」でできている」と思い込んでいる外国人に取って興味深い眺めなのではないでしょうか。

えっ?そんなことが?と思われるかも知れませんが、アメリカ人は歴史が浅いのでそうでもないでしょうが、ドールハウス文化が盛んなヨーロッパですと、こんな住宅の造りひとつでも興味深いものになるのではないかと思うんです。

小津は自らがふすまの開き具合の計算もしないと気が済まない性分だったので、その仕事ぶりが讃えられたのも良く分かります。
小津をリスペクトしていると公言して止まない監督では、フィンランドのアキとミカのカウリスマキ兄弟、ドイツのヴィムヴェンダーズ、アメリカのジムジャームッシュ、台湾のホウシャオシェンなど世界各国のビッグネームが列挙しています。
彼らの作品作りに小津的な一面が垣間見えたりすることがあるのも、「やってみたかったんだろうな」と思うとちょっとクスッと微笑ましい気持ちになってしまいます。

小津はこのように戦前、戦中のブランクを除き前後も精力的にたくさんの作品を撮り続け、良質な作品を多数残しました。
ところが、戦中に徴兵に取られて28歳で戦病死した山中貞雄は、大きな期待を寄せられている新進映画監督だったんですけれど、残った作品は数本しかありません。
かろうじて「人情紙風船」で日本映画史にその爪痕を残していましたが、この監督が無事に帰還できていたら日本の映画史はまたちょっと変わっていたことでしょう。

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